光のかたち

詩のようなものを投稿していきます

あい

愛に約束なんかない
いつでも裏切れるもの

愛に永遠なんかない
いつでも消えてしまうもの

愛に盲目なんかない
いつでもわけはそこにあるもの

愛に惰性なんかない
いつでも新たに生まれるもの

愛に形式なんかない
いつでも形に先立つもの


約束なんかしなくても
永遠に等しいほどに
はっきりと目を開きつつ
いのちの溢れるその先に
すべてを越えて愛はある

わたしの奥に そっと流れる川がある
けして美しくはないけれど
力強く穏やかだ

激しく打つときもある
鉄砲水にからだを拐われる
濁流のなかで息もできない

波の跳ねて楽しげだ
小石も遊ぶし魚も踊る
泡がたっては弾けた

凪いで音一つない
しかし底では流れが進む
静かに流れて蠢いた

激しく
浮かれて
静かに
いつでも流れ 止まらない

川の生まれるそのわき水
ぼくらはいのちと呼んでいる

おんせい

心を切り分け
音で飾って
意味でくるんで
言葉を発する

なんてことは全部うそ

意味は手軽に扱えないし
音で本物になれたりするし
心はとらえられないし

言葉はきっと
こころの残響
響きのなかで
音は生まれる
意味がにじむ

消え行かぬよう
引きとめる

眠れない

胃の傾きが妙に気になったり
寒さが毛布の裏にしがみついたり
屋根裏の月が見えそうだったり
例えばそんな夜

私の心が切り分けられる前の
私の想いが動き出す

私の想いを型どる前の
私の私が浮かび上がる

私になっていく前の
わたしのうずが染み込んで

巡りめぐる月影の
銀河の音色が瞼に踊る