あい
愛に約束なんかない
いつでも裏切れるもの
愛に永遠なんかない
いつでも消えてしまうもの
愛に盲目なんかない
いつでもわけはそこにあるもの
愛に惰性なんかない
いつでも新たに生まれるもの
愛に形式なんかない
いつでも形に先立つもの
約束なんかしなくても
永遠に等しいほどに
はっきりと目を開きつつ
いのちの溢れるその先に
すべてを越えて愛はある
諦め
すべては意味がない
優しげな声
無関心な目
怒りの叫び
悲しい涙
美味しそうな香
暖かな手
冷たいからだ
思い通りにならないし
裏切るばかりでもないし
けれどわたしは生きていて
生きるわたしに意味は唄う
かべ
特別がいいと願ったこともある
誰かと同じは嫌だから
普通でいいと思ってみたり
幸福がありそうだから
特別も普通も
それがなにかが分からない
だからどうにも出来なかったけど
おんせい
心を切り分け
音で飾って
意味でくるんで
言葉を発する
なんてことは全部うそ
意味は手軽に扱えないし
音で本物になれたりするし
心はとらえられないし
言葉はきっと
こころの残響
響きのなかで
音は生まれる
意味がにじむ
消え行かぬよう
引きとめる
眠れない
胃の傾きが妙に気になったり
寒さが毛布の裏にしがみついたり
屋根裏の月が見えそうだったり
例えばそんな夜
私の心が切り分けられる前の
私の想いが動き出す
私の想いを型どる前の
私の私が浮かび上がる
私になっていく前の
わたしのうずが染み込んで
巡りめぐる月影の
銀河の音色が瞼に踊る
日
朝の気配が消える頃に
夢の一つ落ちるをみた
昼の名残が漂う頃に
愛しき恐れの目を覚ます
夜の終わりが近づく頃に
君の躍りが見たいのだ