光のかたち

詩のようなものを投稿していきます

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

あい

愛に約束なんかない いつでも裏切れるもの愛に永遠なんかない いつでも消えてしまうもの愛に盲目なんかない いつでもわけはそこにあるもの愛に惰性なんかない いつでも新たに生まれるもの愛に形式なんかない いつでも形に先立つもの 約束なんかしなくても 永…

諦め

すべては意味がない優しげな声 無関心な目 怒りの叫び 悲しい涙 美味しそうな香 暖かな手 冷たいからだ思い通りにならないし 裏切るばかりでもないしけれどわたしは生きていて 生きるわたしに意味は唄う

わたしの奥に そっと流れる川がある けして美しくはないけれど 力強く穏やかだ激しく打つときもある 鉄砲水にからだを拐われる 濁流のなかで息もできない波の跳ねて楽しげだ 小石も遊ぶし魚も踊る 泡がたっては弾けた凪いで音一つない しかし底では流れが進…

かべ

特別がいいと願ったこともある 誰かと同じは嫌だから普通でいいと思ってみたり 幸福がありそうだから特別も普通も それがなにかが分からない だからどうにも出来なかったけど

おんせい

心を切り分け 音で飾って 意味でくるんで 言葉を発するなんてことは全部うそ意味は手軽に扱えないし 音で本物になれたりするし 心はとらえられないし言葉はきっと こころの残響 響きのなかで 音は生まれる 意味がにじむ消え行かぬよう 引きとめる

眠れない

胃の傾きが妙に気になったり 寒さが毛布の裏にしがみついたり 屋根裏の月が見えそうだったり 例えばそんな夜私の心が切り分けられる前の 私の想いが動き出す私の想いを型どる前の 私の私が浮かび上がる私になっていく前の わたしのうずが染み込んで巡りめぐ…

朝の気配が消える頃に 夢の一つ落ちるをみた昼の名残が漂う頃に 愛しき恐れの目を覚ます夜の終わりが近づく頃に 君の躍りが見たいのだ

かわいそうなあなたへの挽歌

ここは別に優しくない 水も空気も汚れているし もともと綺麗だったわけでもないだろう 路傍の花は潰されて 愛をたずねれば突き放されるここは別に冷たくない 海も空も綺麗だし 雨と時化の日ばかりじゃないだろう 比翼が気ままに滑り 目の覚めるような奇跡も…